皆さん、「ウェルネス」という言葉を耳にしたことはありますか?
英語で「wellness」と表記されるこの語は、日本語に直すと「健康」となるのですが、実はこれ、一言で「健康」と言ってもその内包する意味はとても広大です。
1961年、ウェルネスという言葉を世に出したのは米国のハルバート・ダン医師。彼が定義したウェルネスとは、「輝くように生き生きしている状態」を指します。
つまり、単に肉体的に健康というだけではなく、広い意味での健康状態、ということになります。
さて、このウェルネスが広く認知され始めたのは、提唱されてから16年後の1977年、全米ウェルネス協会が設立された頃からです。それにより、その理念や価値観が徐々に広まって行きました。
ウェルネスとヘルスの違いとは
では、「健康」という訳語を持つウェルネスとヘルスにはどのような違いがあるのでしょうか?
ヘルスは一般に、「病気ではない状態」という肉体的な健康を意味します。しかしウェルネスは、もっと広い範囲を指していて、それは精神的な健康も含む生き生きとした状態をさします。
すなわち、ウェルネスとは生活の質、QOLが高いということなのです。
ウェルネスの状態を把握するには
では、具体的にウェルネスの状態を把握するためにはどうすれば良いのでしょうか。
一般的には、以下の7つの指標をベースに、バランスの取れた状態がウェルネスであるとされています。
身体のウェルネス:健康的な食事、運動、十分な睡眠など、体を大切にする生活をしていますか?
感情のウェルネス:感情を適切にコントロールし、ストレスに対処していますか?
社会的ウェルネス:人間関係が豊かで、支えあうコミュニティの一員として活動していますか?
精神のウェルネス:価値観が明確で、日々の生活に意味と方向性を見出していますか?
知性のウェルネス:学び続け、思考することを大切にしていますか?
職業のウェルネス:仕事に満足しており、キャリアにおける成長を感じていますか?
環境のウェルネス:生活している環境が健康に良い状態を保っていますか?
これらの指標を通して、私たちは日々の生活の中でウェルネスを意識し、それを高める取り組みができるのです。
身体的な健康だけでなく、精神的、社会的、そして環境的な健康も大切にすることで、より輝くような生き生きとした生活を送ることができるでしょう。
ウェルネスという概念を生活の中に取り入れ、自分自身の全人的な健康を追求することが、今日から始められる最も価値のあるステップかもしれません。